塩見岳・小河内岳登山(2)塩見岳登山

8月の南アルプス・三伏峠のテント場。
夜10時頃目が覚めて、そのあと眠れなくなってしまいました。軽い頭痛もします。脱水症状なのか軽い高山病なのかわかりませんが、水を飲みながら、バイクの排気音のようないびきを聞きながらジリジリと過ごします。
日が変わった頃には出発の準備をする音が聞こえ、午前2時になるとあちこちからテントを畳む音が聞こえてきます。テント場の朝は早いですがここは特に早い。縦走で次のテント場まで行くにも塩見岳を往復するにしても相当時間がかかるので、そういう時間帯になってしまいますね。

結局22時から一睡もできずに、カフェオレとパンとゼリーの軽い朝食を取って、自分も4時すぎに出発します。テントはそのままで塩見岳を往復します。片道6km、コースタイムは登り5時間下り4時間です。

テント場から10分ほどの「三伏山」。真っ暗だし、ガスの中。晴れるのかな・・・
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道は歩きやすい樹林帯の山道。1時間ほど歩き本谷山の先まで行くと雲が切れてきました。向こうに見えるのは小河内岳と思う。
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そして正面には塩見岳。完全に雲が切れています。でっかいな。
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「小屋は、じきかやぁ/いんねあと40分だに」
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さらに先に進むと左側に白根三山も見えてきました。
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日帰りピストンで荷物が少ないので、まるで羽が生えたかのように身体が軽い。
三伏峠からCT3時間半のところ2時間で、「あと40分だに」から25分ほどで塩見小屋に着きました。山頂まで一番近い小屋です。疲れてないので通過。
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あーーーーーーーーなんでガスっちゃうん・・・
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塩見小屋から塩見岳山頂までは、「山のグレーディング」でDランク。
◇厳しい岩稜や不安定なガレ場、ハシゴ・くさり場、藪漕ぎを必要とする箇所、場所により雪渓や渡渉箇所がある。
◇手を使う急な登下降がある。
◇ハシゴ・くさり場や案内標識などの人工的な補助は限定的で、転落・滑落の危険箇所が多い

とのこと。はじめてDランクを歩くので心していかんとね。
小屋から20分ほどで鎖場登場。まあこれくらいならサクサクっと。
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稜線から流れ落ちる雲が美しい。
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これからが核心部ですかね。けっこう急に見えます。
手前は青い岩、山頂近くは赤い岩。
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少しハードな鎖場登場。
昔は恐くて絶対無理だったんですが、慣れとは恐ろしい。
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やっぱり恐いな。
この後、上を歩く人が小石をザラザラと落として下を歩く人の足に当たるところを目撃します。怪我はなかったようで「当たったのが足で良かった」と仰ってました。
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間ノ岳方面からの稜線がきれいに見えてきました。
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6:50塩見岳山頂(西峰)着。
塩見小屋から45分、三伏峠から2時間45分で到着。富士山見える。
もう少し行った先に「東峰」があって、そっちのほうが標高が高いようなので、移動してみます。
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標高3052mの東峰。西より5m高い。
南アルプスの真ん中、まわりに高い山がないので、360度の展望。
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南アルプス南部を一望です。
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荒川岳というか悪沢岳というか。
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そして東には富士山。
手前右側の形の良い山はたぶん蝙蝠岳で、そこへの稜線が良きという話も聞いたんだけど、片道2時間、わざわざ行って戻るのも面倒なので、山頂で何もせず時間をすごします。
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西峰方面
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北アルプス 槍・穂高まで見えます。
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塩見岳から間ノ岳方面の仙塩尾根を北上していく人、尾根から来る人を眺めます。仙塩尾根からどんどん人が登ってくるのですが、どの人もきついけど良かったと口にしていました。
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日も高くなってきました。天気は安定してそうですがそろそろ下山しようかな。
結局山頂には2時間半いました。
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9:30下山開始。
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岩場の下りに突入。
前を歩く赤ザック・緑ザックの2人は自分と同世代のお父さんとその娘さん。北沢峠ー仙丈ヶ岳ー塩見岳ー鳥倉のルート(コースタイム25時間)を1泊2日で歩くという超健脚で、この下りも鎖使わずスタスタ歩いていてあっという間に離されてしまいました。
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こわいこわいこわい。
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岩場を終えて塩見小屋まで無事戻ってきました。
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山頂から3時間ほどで下山。
テント場直前の三伏岳もなかなかの展望。朝はガスで分からなかったけど。
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テント場に戻って、また半日ぼーっとします。
この日は午後雨も降らず一日穏やかな天気でした。
そして夕食後の18時、テント場から10分ほどの三伏山へ。
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少し雲がありましたが、塩見岳の上の方を夕日が赤く染めてくれました。
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明日もいい天気になりそうです。
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この記事へのコメント

  • Jetstream

    山頂では晴れて展望を楽しむことが出来ましたね。
    2泊とは優雅なテント泊です。私は塩見小屋で1泊、キツイし余裕のない行程でした。
    2024年09月29日 11:25
  • asa

    塩見岳、行こうと思いつつ、ついにいけませんでした。
    それにしても塩見の頂上往復、なかなかのスリル。そんなところを写真に撮っているなんて余裕ですね。
    2024年09月29日 14:09
  • おと

    Dランク!鎖場、こわい!
    見れば見るほど、こわいです(笑)絶対無理です。
    でも、ものすごく美しいですね~。本当に素晴らしい眺め。
    こうやって、やみつきになるんですね^^
    2024年10月01日 01:18
  • トモミ

    海からの富士山も山頂からの富士山もどちらも味がアリますねぇ~(笑)!
    2024年10月01日 13:39
  • 青い森のヨッチン

    山頂で2時間以上も過ごすという経験はなかなかないですよね
    それにしても午前2時からテント撤収とは本当に早いですね
    2024年10月04日 11:41
  • えすぷれそ

    >Jetstreamさん
     朝方だけ天気の良い夏山の眺望を狙ったのもあり、足がちょっと不安だったのもあり、ゆったりな行程にしました。山頂でもテント場でもずっとぼーっとしてたような気がします。

    >asaさん
     南アルプスのちょうど真ん中でアクセスも良くないですから・・
     頂上付近のスリリングなところは写真が撮れる程度の場所から、雰囲気お裾分けというところです。

    >おとさん
     こういう眺めを見ると病みつきになってしまうし、恐そうな鎖場もなんとなく慣れてきました。ここは足元が脆くて石を落とさないかヒヤヒヤします。

    >トモミさん
     南アルプスは富士山が近くて大きく見えて良いです。
     ちょうど神奈川から見る裏側に当たります。

    >青い森のヨッチンさん
     登りのコースタイムを2時間短縮したし、天気も安定してたので、いろんな人とお話ししながら長居してしまいました。三伏峠のテント場は他より朝早い気がします。
    2024年10月06日 16:38